クワガタの産卵セットの組み方を解説!産卵する兆候(ちょうこう)がわかる?
クワガタを産卵をさせたいんだけど、産卵セットの組み方や産卵する兆候(ちょうこう)を教えてほしい!
夏になると無性に飼育したくなるカブトムシやクワガタ(以下カブクワ)は不思議な魅力がありますよね。
産卵を成功させることができれば、来年の夏、再来年の夏とまた飼育することができ幼虫~成虫になる楽しみも増え一段と飼育する面白さが実感できるはずです。
そこで今回は毎年カブクワの飼育をさらに楽しむ方法として産卵セットの組み方についてお伝えしていきます。
できるだけわかりやすく伝わるように心がけて書いていますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!
この記事を書いてる人
- 飼育種
⇒国産・外国産カブトムシ各種、ホソアカクワガタ各種、ノコギリクワガタ各種、タランドゥスオオツヤクワガタ、国産オオクワガタなど国産から外国産まで数多く飼育しています。 - 飼育数
⇒成虫・幼虫合わせて300匹以上を常時飼育中
茨城県日立市でクワガタの販売を行っています。
お近くの方は直接手渡しも可能ですので、ぜひご覧になってくださいね!
『ヤフオク!』でも出品していることがありますので、チェックしてみてください!
ご連絡はXのDMまたは、オンラインショップのお問い合わせからだと助かります。
産卵セットの組み方
さっそく産卵セットの組み方を教えてよ!
クワガタと一言にいっても、様々な種類がいて生息している地域や環境も異なるため産卵セットはクワガタの種類ごとに変える必要があります。
クワガタの種類は世界で1500種類以上いるといわれています。
この記事で紹介する方法は、筆者なりの産卵セットの方法を紹介していきます。
クワガタは主に、
- マットに産卵するクワガタ
- 材に産卵するクワガタ
この2種類に分かれます。
ただ単にオス♂とメス♀を一緒に飼育すれば産卵すると思ってた・・・カブトムシよりも難しいそうだね。
それぞれ詳しく解説をしていきますが、まずは産卵の流れをおおまかに見ていきましょう。
産卵の流れ
クワガタに産卵させるためには、オス♂とメス♀を飼育する必要があります。
※WD(ワイルド)のメス♀を入手した場合は交尾済みの可能性もある
繁殖をさせることが前提ならばペアで購入をしましょう。
サラッと流れについて見ていきます。
野外のカブクワのことを意味します。
人が繁殖させていない個体で、採集してきたカブクワが当てはまります。
オス♂とメス♀を交尾(ペアリング)させる必要があります。
交尾のことを『ペアリング』といいます。
産卵させるには、クワガタが快適と思える環境を作くる必要があります。
産卵セットを組んで1~2ヶ月くらい経ったら卵や幼虫を探します。
この期間については飼育者によって変わります。
卵で見つけた場合は、孵化(ふか)するまでこまめに観察しながら管理をします。
幼虫で見つけた場合は、個別のケースに移し管理をしていきます。
ここまでがざっくりとした一連の流れになります。
産卵セットにおすすめのマット
クワガタの産卵において筆者がおすすめしているマットは産卵一番になります。
微粒子できめが細かく、無添加マットになるので幼虫が落ちにくい特徴があります。
栄養がありすぎるマット(添加マット)は初令幼虫に合わないこともあります。マットが合わない場合には幼虫は死んでしまうことも・・・
産卵セットを組む際にはぜひ使ってみてください。
その他のマットについてはこちらの記事で紹介しています。
マット産み
マットに産卵するクワガタ
- ヒラタクワガタ系
- ノコギリクワガタ系
- ホソアカクワガタ系
- ニジイロクワガタ など
マット産卵で用意するもの
- 飼育ケース
⇒適度に大きいものを選びます。狭すぎると産卵数が減ることもある - 発酵マット
⇒栄養価が低い微粒子マットがおすすめ!産卵一番なら大抵産む。なければ二次発酵マットでも問題なし - 発酵マットを混ぜるための容器
⇒サイズとしては使用する発酵マットを入れても余るくらいの大きさのもの - 水
⇒水道水でオッケー!マットに水分を与える。マットの状態によっては必要ない場合もある - 転倒防止材
⇒クワガタがひっくり返り起きあがる際に必要になります。朽ち木でも水苔(みずごけ)でも普段使っているもので問題なし - 昆虫ゼリー
⇒なるべく栄養価が高いものがおすすめ!プロゼリーなら間違いない - マットプレス(ハンドプレス)
⇒マットを押し固める際に必要になります。あれば便利ですがなくても問題なし
産卵セットのつくり方【マット産み編】
発酵マットを使用するためには、発酵マットのガス抜きを必ず行います。
マット購入後、袋をあけ1~7日間程度放置(ガス抜き)します。
購入した段階で”ツーン”とした刺激臭のような嫌なニオイがする場合は必ず『ガス抜き』を行います。
マットのニオイが落ちつけば、使っても問題ありません。
ガス抜きをしないまま使用すると、クワガタが亡くなることもあるので注意しましょう!
※マットの種類によってはガス抜き不要なものや、ガス抜きをしても完全にニオイが無くならないものもあります。
マットのガス抜きが完了したら、水分量を調整するため袋から大きめの容器に移します。
この時マットを手で握って水分量を確認し、握って形ができないようであれば加水が必要になります。
少しずつ水分を加えて、マットを混ぜていきます。
マットに塊がある場合は全て崩してください、塊を崩さないと後々マットの劣化を早める可能性がでてきます。
手で握り形ができ手のひらで優しく転がしても崩れないようであれば加水完了です。
クワガタの種類によって水分量は変わってきます。
今回紹介するやり方は、基本的な産卵セットの方法になるので、全て種類が産卵するとは限りません。
水分量の調整が終わったら、飼育ケースに産卵セットを組んできます。
イメージとしてはこんな感じにしていきます↓↓
産卵セットを組む【マット産み編】
飼育ケースにマットを半分くらい入れます。
今回使用しているケースは100均で購入した『パン屋さん』という商品です。(2022年11月時点では『パン屋さん』はお店で見なくなったので、カットされたのかも?)
半分くらい入れたマットをマットプレスで押して固めていきます。
画像のようなアイテムです↓↓
マットプレスがない場合は、拳で押していきます。
できるだけ固く詰めたいので力を入れて詰めることがポイント!飼育ケースが破損しない程度の力加減で詰めましょう。
固く詰めた部分は高さ3~5㎝ほどになれば完了です。
固く詰めた上にさらにマットを入れていきます。
マットの量としては、一番下に入れたマットと同じくらいもしくは若干少なくても問題ありません。
再度マットを押して固く詰めていきますが、力加減は7割程度で詰めます。
一番下の固く詰めたマットよりも優しく押してあげましょう。
高さとしては5㎝くらいあるといいですね。
再度マットを入れますが、最後は詰めないでふんわりとマットを入れていきます。
入れる量は2~3㎝程度入れてあげましょう。
持っている飼育ケースの高さがそんなにないんだけど・・・どうすればいい?
使用する飼育ケースに合わせてマット量を調整しましょう。例えば、一番下3㎝・真ん中3㎝・一番上2㎝といったように調整をしてあげてください。
マットを入れ終えたら、昆虫ゼリーと転倒防止材、そして交尾済みのメス♀を入れてあげれば産卵セットの完成です。
昆虫ゼリーは栄養があるものを多めに入れてあげてください。
産卵するには体力を使うため、栄養が必要になります。
材産み
材に卵を産むクワガタ
- 国産オオクワガタ
- コクワガタ
- グランディスオオクワガタ
- タイワンオオクワガタ など
材に産卵させるために用意するもの
- 飼育ケース
⇒適度に大きいものを選びます。狭すぎると産卵数が減ることもある - 発酵マット
⇒栄養価が低い微粒子マットがおすすめ!産卵一番が万能です - 発酵マットを混ぜるための容器
⇒サイズとしては使用する発酵マットを入れても余るくらいの大きさのもの - 水
⇒水道水でもオッケー!マットの状態によっては必要ない場合もある - 転倒防止材
⇒クワガタがひっくり返り起きあがる際に必要になります。物は朽ち木でも水苔(みずごけ)でも普段使っているもので問題ありません - 昆虫ゼリー
⇒なるべく栄養価がが高いものがおすすめ!プロゼリーなら間違いない - マットプレス(ハンドプレス)
⇒マットを押し固める際に必要になります。あれば便利ですが、なくても問題なし - 産卵材
⇒クヌギやコナラなどの木を用意する - 硬いヘラなど
⇒産卵材の樹皮を剥ぐのに使用する
産卵セットのつくり方【材産み編】
材での産卵でも発酵マットは使用しますので、ガス抜き必ず行いましょう。
ガス抜き方法やマットの水分量に関しては、『産卵セットのつくり方【マット産み編】』をご確認ください。
産卵材の加工
材はそのまま使うんじゃないんだね!知らなかった!
産卵に使用する材をあまっている飼育ケースなど利用し水に浸します。
約30分~1時間ほど水に浸します。
※この画像は先に樹皮を剥いでいますが、剥ぎにくいので水に浸した後に樹皮を剥ぐほうが楽です。
産卵材を水に浸す際、浮いてしまうので材が浮かないように上に重石など置いて工夫をしましょう。ジップロックのようなものに入れると簡単です。
産卵材に卵を産むクワガタは好みの材を選んで産卵をします。
なので、できれば材は2~3本入れるのが理想です。
ない場合は1本でも問題ありませんが、産卵する確率は下がる場合があります。
適度に水分を含んだ産卵材を日陰で半日~1日程度干します。
干すことで余分な水分を抜くことができるので、必ず行うようにしましょう。
水分が多すぎる産卵材の劣化の原因になります。
産卵材の周りにある樹皮を硬いヘラなどを使って剥いでいきます。
ナイフなどでも問題ありませんが、手を切らないようにしましょう。
樹脂を剥いでおくことで、メス♀が産卵するための労力を最小限に抑えることができます。
樹脂を剥いでいくと、オレンジ入りのザラザラしたものが見えてきますのでこの部分もきれいに落としましょう。
オレンジのザラザラした部分を剥ぐとツルツルの産卵材の完成です。
産卵材には白い丸い穴が開いている箇所が何個かあると思います。その穴はシイタケ菌を打った後なので、そこもできればきれいにくりぬいておくといいですよ!
産卵材として売られている材は、シイタケの栽培で使われていた木を使用しているので、シイタケ菌が打ってあるんですよー
産卵材が完成したら、産卵セットを組んでいきます。
産卵セットを組む【材産み編】
飼育ケースの半分くらいまでマット入れます。
加工した産卵材を固めたマットの上に入れていきます。
産卵材が大きい場合は、分割しても問題ありません。
産卵材の上からマットを入れていきます。
産卵材が隠れるくらいまでマット入れたら、マット固めていきます。
産卵材の間などの細かい部分は、指などを使い固く詰めましょう。
この時の固さは一番下のマットよりも少しやわらかめに詰めていきます。
7割程度の力で詰めよう!
産卵材が完全に隠れるまでマットを入れてもいいですが、少し頭が出ていても問題ありません。
一番上は2~3㎝程度ふんわりとマットを入れます。
ここは固く詰めないでくださいね!
最後に昆虫ゼリーと転倒防止材、そして交尾済みのメス♀を入れてあげれば産卵セットの完成!
昆虫ゼリーは栄養価が高いものを多めに入れてあげましょう!
クワガタが産卵する兆候(ちょうこう)について
産卵セットにメス♀のクワガタを入れたんだけど、産卵しているかわからないんだよね。どうやって判断すればいいのかな?
産卵をすぐにするクワガタもいれば、全然産んでくれないクワガタもいます。
マット産みの場合は、産卵していることを見極めるのは難しいです。
メス♀がよく潜るようになれば産んでいることもあります。
産卵材を入れている場合だと、材の破片などを確認することができれば、材に卵を産んでいる可能性があるでしょう。
なんの兆候も見られない場合には、産卵セットを組んで1ヶ月ほどで経った時点でいったん割出しをしてみましょう。
割出しって・・・何?
一旦産卵セットのマットや材を取り出して確認をすることを意味します。
もし卵や幼虫が見つかれば、取り出してプリンカップで管理します。
プリンカップに入れるマットは、できれば産卵マットで使用したマットを入れてあげましょう!
もっと卵や幼虫の数が欲しいときは、再度同じマットを使い産卵セットを組めば産んでくれる可能性があります。
産卵させるコツと注意点
産卵させるコツと注意点についてお伝えしていきます。
産卵させるコツ
産卵させるには、条件が揃わないと難しい場合があります。
重要なポイントとしては、
- 適切な温度管理
- マットや材が産卵に適しているか
- マットの水分量
- 生体が成熟している
- 繁殖能力がある
※何らかの影響で繁殖ができない個体もたまにいます - 交尾(ペアリング)ができている
このような条件が揃って、産卵する場合が多いです。
特に高額価格で取り引きされているカブクワは、繁殖が難しいとされている場合が多いので、上記の条件が揃わないと産卵をしない場合が多いです。
流通が多いカブクワの場合は、そこまでシビアにならなくても産卵することもあります。
産卵しない場合には今回紹介した内容は必ず確認をしましょう。
飼育しているクワガタが『マット産み』なのか『材産み』かわからない場合
飼育しているクワガタがどこに産卵するかわからない場合はどうすればいい?
もし卵をどこに産むかわからない場合は、産卵材を入れた産卵セットを組めば間違いありません!
迷ったら産卵材を入れてあげましょう!
詳しくは『材産み』を参考ください。
管理できる範囲にする
生き物を飼育するということは、責任があります。
何も考えずに産卵をバンバンさせて、最終的には管理ができません。
っと、ならないよう計画的に行いましょう。
管理ができなくなった場合でも野外に放すことだけはやめましょう!!
生態系が崩れてしまう恐れがあるので絶対だめです!
管理できない状況になってほしくはないですが、万が一管理ができないくらい繁殖してしまった場合は、市町村の役所に一度相談ください。
相談だけなら筆者ものります!
ご相談はTwitterのDMなどで受け付けています!
カブクワを飼育するには、ゼリーやマット、ケース、電気代とお金がかかります。
また、増えれば増えるほど場所も必要になりますので、カブクワ飼育は管理できる範囲にとどめておきましょうね。
クワガタ産卵する兆候とは‐まとめ
クワガタの産卵セットの組み方や、産卵している兆候についてお伝えしてきました。
今回紹介した産卵セットは、あくまでベーシック方法になります。
クワガタの種類によっては変わってきますが、ほとんどの場合は産んでくれると思います。(筆者の感覚)
生き物は100%産んでくれるわけではないので難しいですが、産卵した時の嬉しさは格別ですよー
今回の記事をぜひ参考にカブクワ飼育を楽しんでくださいね!
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